タイ人はタイ警察をポリースマフィアと呼んでいます。
表の顔で堂々警察権力を悪用してマフィアのようなことができるから本当のマフィアよりも性質が悪いでしょう。
タイ警察の幹部は皆、大金持ちです。その理由はもちろん賄賂です。
タイ警察は長く続いたタクシン政権の支持組織であり、マフィア化した警察の腐敗はタクシン政府が事実上公認している「公然の秘密」「聖域」とされてきたと言われています。
ところがタクシン元首相の実妹インラック前首相が、
不当に権力を行使したことによって、タイ憲法裁判所により失職させられ、軍事クーデターが起こると、実験を握った軍事政権は、タクシン政権下で腐敗した警察の浄化を始めたのです。
国民も支持基盤固めを目論んでのことです。
長年ポリースマフィアに苦しめられてきた国民は、軍事政権による警察の浄化を支持していますが、期待しているほどにはクリーンな国家にはなりそうもありません。
タイ警察は違法賭博の元締めや密輸の元締 タイ警察前中央捜査局長の資産は72億円以上
2014年11月にはタイ警察中将(前中央捜査局長)、警察少将(前中央捜査局副局長)、警察大佐ら警察幹部7人が逮捕された。
大佐は11月20日に「転落死」したとされている。タイで「転落死」というのは自殺や事故ではなく、殺されているケースは多い。
押収されたタイ警察中将(前中央捜査局長)の資産は地下金庫や隠し部屋に隠された現金、宝飾品、仏像、象牙などで20億バーツ(72億円)以上。
賭場や石油密輸業者などから賄賂を受け取っていたほか、昇進を希望する警官に警察ポストを販売し、多額の金銭を得ていた。
隠し資産はすべて見つかったわけではないであろうから、警察幹部が不法に蓄えてきた資産はまだまだあることは間違いない。
タイ警察の賄賂要求は一般の国民や旅行者にまでおよぶ
タイでは露天商が公道の至る所で商売をしているが多くは違法営業。
飲食を提供している店は提供しえいるもの自体は違法ではないが、DVDやブランド品の違法コピー商品など、提供しているモノ自体も違法である店も多い。
そのため、警察からの賄賂要求は耐えることがない。
警察への賄賂で撤退を余儀なくされたりする店もある。
路上で客待ちをする売春婦も同様に違法行為なのでタイ警察にとっては賄賂を要求するお得意さんだ。
我々外国人も、違法に商売をしたりしていなくても、警察に賄賂を要求され応じなければならなくなる状況になることもある。
交通違反やオーバーステイだ。
タバコのポイ捨ても違法行為に当たる区域もあるのでタイ警察の賄賂要求の口実になる。
タイ国民は無免許運転や免許書不携帯、ノーヘルなどでバイクを運転する人が多いが、外国人旅行者も、タイでの免許を取得せずにバイクをレンタルできてしまうので、気軽にレンタルバイクを利用する。
タイ警察にとっては、バイクを運転する外国人旅行者はほぼ100%交通違反をしているので、いつでも金になるお得意様だ。
タイ警察は交通違反を理由に警察署に連行されて長時間拘束された挙句に高額の罰金を支払うか、その場で開放するから数百バーツの賄賂に応じるかの選択を迫る。多くのタイ人も外国人旅行者も賄賂に応じる選択をする。
クーデター後には軍事政権により、賄賂要求をした警察官を処分したり密告者に報奨金を出すなどのの施策もされたりしているが、締め付けられた警察が、バンコクで外国人に対してパスポートの不携帯が違法行為であると難癖をつけて賄賂を要求するケースも報告されている。
タイ警察にとっては給与だけではなく、賄賂での収入が当然となっているので、軍事政権が警察の浄化をはかろうとしても、あの手この手で国民や外国人から賄賂をせしめようとしている。
空港に常駐するタイ警察もポリースマフィアだ。
外国人旅行者はオーバーステイすると、1日につき500バーツの罰金を科される。
しかし、空港のタイ警察はその2倍から3倍を支払うように要求してくる、路上での賄賂要求とは違い、記録しなければならないので、旅行者に最後に控えを渡す書類上は正確にオーバーステイの日数と罰金を記入するが、要求金額は1日1000バーツ以上だ。
こちらが1日500バーツだと知っていてそれをもとめてもまったく応じようとはしない。
搭乗時間が迫ってきているので警察に時間稼ぎをされて拘束されては乗り遅れるので外国人旅行者はタイ警察の賄賂要求に応じざるを得ない。
タイ警察幹部の公開されている資産は35億円以上
日本でも政治家の資産は公開されているが、タイでは警察高官の資産が公開されている。
2014年に公開されている警察高官の純資産はジャカティップ警察副長官9億6207万バーツ(約35億円)、ワチャラポン前警察長官代行4億6942万バーツ、ソムヨット警察長官3億5586万バーツ。
タイ国民も警察の給与だけで数十億円の資産ができることはあり得ないことはわかっているので、マフィア化した警察の腐敗はタクシン政府が事実上公認している「公然の秘密」「聖域」とされてきた。
タイの殺人事件、殺人未遂事件の発生率は日本の少なくとも15倍以上、検挙率は半数以下
日本国内の殺人事件、殺人未遂事件は2013年は938件。
タイでは殺人事件、殺人未遂事件は7300件を超え、日本の8倍。
その他の犯罪の認知件数は
▽強姦3276件
▽傷害1万2330件
▽強盗343件
▽放火272件
▽身代金目的誘拐12件
▽自動車窃盗1622件
▽バイク窃盗1万813件
▽麻薬関連44万2844件――など。
タイの人口は6700万人、日本の人口は1億2700万人。
人口比率を考慮すると、タイの殺人事件、殺人未遂事件の発生率は日本の15倍となる。
日本国内の殺人事件、殺人未遂事件は1日に3件以下に対して、タイでは殺人事件、殺人未遂事件は公式に発表されているデータで20件以上となる。
しかし、タイ警察は事件が発生しても事件として処理しないことが多い上、タイ国民も事件が発生しても警察に通報しないことが多い。警察は面倒なので殺人事件を自殺と処理して仕事を放棄し、タイ国民は警察に事件解決を期待しても無駄であることがわかっているためだ。
したがって、日本のおよそ半数の人口のタイでおよそ8倍の殺人事件、殺人事件が発生している、というデータはごく一部に過ぎない。
私たち日本人は、タイは日本と比べれば本当にかなり危険な国だ、ということを十分認識してタイに入国しなければならない。